Home&Schoolでもお知らせしましたが、先週の大雨による早帰りの時には、近隣のお店に大変なご迷惑をおかけしました。早帰りのお迎えのために、お店の駐車場が吉田小学校の保護者の車でいっぱいになり、お客様が車を停めることができなかったのです。
学校では、「お迎えに来てくれる友だちがいるのに、自分には迎えが来ない」と泣いている子もいました。その後、その子は気持ちを切り替えて、自分で帰って行きました。
急な早帰りで時間の都合がつかず、どうしても車で迎えに行く必要があった方もいらっしゃったことでしょう。お子さんの安全を気遣い、お迎えをしてくださった方もいらっしゃったことでしょう。ほとんどの吉田っ子は自分で帰り、お迎えをされた方はほんの一部です。今からの話は、それを承知で、皆さまにお伝えしたいと思いました。
大変な雨の中、お迎えに行くのが本当の優しさなのかどうか。お店で買い物をしたいお客様が駐車できなくなってお店に迷惑をおかけすることより、お迎えを優先する大人から、子どもが何を学ぶか、自分の力で困難に立ち向かう力や、がんばった達成感を味わう気持ちよさを、大人が奪っていないか。
雨の中を歩くと、晴れの日にはできない発見もたくさんあります。水がぽたぽた落ちる音や、はねる様子、水たまりを歩く楽しさ、水に濡れて色が濃くなる風景の美しさ、カタツムリのさんぽ、晴れた日より、視界が悪くなり注意が必要なこと・・・。子どもたちはあらゆる場面で、知らず知らずのうちに、いろいろなことを吸収し、発見し、学んでいくのです。そんな貴重な体験も大人が奪っているかもしれません。
たかがお迎え、されどお迎えなのです。
吉田小学校は、地域のたくさんの皆さまに大事にされ、吉田っ子は地域の中で育っています。それなのに、地域の方に迷惑をかけ応援していただけなくなるのは、本当に残念なことです。だから、迷惑をかけないように、近隣のお店や道路に駐車しないでいただきたいということだけではないのです。学校は、子どもたちが、自分の力でできることを、ひとつでもふたつでも増やしてほしいと願っています。そのために学校ができることは何か、いつも考えています。
今回の大雨の早帰りをきっかけに、これからも子どもを主語にして、保護者のみなさまと一緒に吉田小学校を作っていけたらと心から願っています。